精子の運動率を上げるための方法は以下の記事をご覧ください。
http://tengadoctor.livedoor.blog/archives/15102430.html
今回は精子の運動率を下げる精索静脈瘤についての解説です。
精索静脈瘤は一般男性の15%にありますが、男性不妊患者の40%に認める病気。
精巣の上部または精索に静脈瘤(静脈のこぶ)ができている状態です。
静脈瘤ができると精巣に入ってきた血液がスムーズに心臓へと流れていかないので血流が悪くなります。
また、血液がとどまることで精巣の温度が上昇してしまいます。
その二つの原因により精子の形成が悪くなり精子運動率の低下につながります。
重症の場合は陰嚢の皮膚から拡張した血管を肉眼で確認できます。
立った状態でおなかに力を入れると血管が膨れてくる人もいます。
精巣血流の悪い状態が持続すると精巣が小さくなる場合もあります。
左に発症する人が多いのは血管の走行が原因です。
左の精巣から静脈は腎臓の近くまでつながっています。
右側と比較して静脈が長いので静脈瘤ができやすいのです。
治療は手術しかありません。
静脈瘤の原因となる静脈を糸で縛って切ります。
手術方法は顕微鏡を使うことが主流となっています。
でも全例手術をするわけではありません。
痛みなどの症状がある人や妊活をしている人以外は特に治療の適応はありません。
手術をすると精子運動率などが6—7割は改善します。
手術せずに放置すると徐々に増悪してしまうので、妊活を考えている人は手術することをお勧めします。
精索静脈瘤は産婦人科では治療できません。
精液検査の結果が悪いと言われた人は泌尿器科を受診して精索静脈瘤があるか診てもらってください。
精索静脈瘤がある人は亜鉛などの精子の運動率を上げるサプリを飲んでも効果が無いですよ。


