TENGA ドクターのblog

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2019年04月

平成で性はオープンになったのか?性教育の影響とは?

皆さんはどう思いますか?

 

平成の性を語る上で欠かせないこと・・・それは「エイズ」です。

昭和60年にエイズ患者が初めて日本で診断されました。

それを機に性教育でエイズを含む性感染症の知識を教えるべきだという論争が巻き起こります。

そして平成4年に学習指導要領が改訂・施行されて小学校から性教育が行われるようになります。

この年はまさに「性教育元年」と呼ばれています。

 

昭和の終わりのバブル時代は金も性も乱れて、性風俗店はめちゃくちゃ繁栄していました。

そんな時代から「エイズ」を機に性教育は変わりました。

さまざまな性教育の団体も立ち上がり、1990年代は性教育に工夫がされていました。

そして2001年には「すこやか親子21」という母子保健の取り組みが策定されます。

ここでは思春期の保健対策の強化と健康教育の推進が掲げられ、10代の人工妊娠中絶率の減少や性感染症の罹患率減少が目的となりました。

 

非常にいい流れで性教育が変わってきた中でとある事件が起こります。


2002
年とある学校での「行き過ぎた性教育」が国会やメディアで話題となりました。

その性教育とは小学校で性器の名称を教えること、中学校で性交や避妊法を教えることです。

世間からかなりのバッシングを受け、その学校の校長を含む教職員は処分されました。

 

この事件以降、学校での性教育は衰退していくこととなります。

そりゃ当たり前ですよね。

良かれと思って工夫しながら性教育をしていたのに、世の中からバッシングを受けないためのおもしろくない性教育に変わってしまいました

それが現在の性教育へとつながり、学習指導要領から逸脱しないようになっています。

 

例えば「生命の誕生」や「性感染症の予防」や「望まない妊娠をしないために」なんて言うことしか学校では話すことができません。

それもすべて世間からのバッシングの影響です。

 

では現実問題として性教育の効果は出ているのでしょうか?

例えばエイズ患者数。


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 https://www.hivkensa.com/whatis/

HIV相談検査マップから引用

このように増加の一途をたどっているのです。

エイズ・HIV感染は世界的な社会問題なので、性教育の効果は期待できないでしょうね。

 

では人工妊娠中絶件数は?

zuhyo01-06-03

内閣府男女共同参画局HPから引用

人工妊娠中絶件数は年々減少しています。

見にくいですが、20歳未満の中絶件数は平成13年を境に減少しています。

 

と言うことは性教育の効果があったととらえるべきでしょうか?

 

平成13年それはイチローがメジャーデビューし、小泉純一郎が総理大臣になった年。

Windows XPも発売された年でもあります。

ドコモでi modeの利用が始まったのも平成11年。

 

なんか世の中が変わっていくような気がしていた時代ですね。

 

インターネットが身近になりスタービーチ(スタビ)やワクワクメールなどの出会い系サイトも増加してきました。

登録して楽しんだ人も多いのではないでしょうか?

 

そして平成16年にはFacebookも立ち上がりSNSが普及します。

これで一気にネットで人が繋がることが認識され多くの人が利用しました。

過去の同級生と繋がりセックスをする、過去の彼や彼女と繋がりセックスをするなど性の出会いは非常に増加しました。

性は乱れる方向に進んでいきそうですが・・・

人工妊娠中絶は減少している。

 

ということは性教育の一定の効果は出ているんじゃないでしょうか?

もちろんまだまだ望まれない妊娠をしてしまう方もいるので「効果ない」と感じるかもしれません。

 

ではエイズ以外の性感染症患者数の推移を見てみましょう。

クラミジア感染者

 クラミジアオトコ
クラミジア女性

淋菌感染者
淋菌オトコ

淋菌女性


淋菌とクラミジア感染者数はどちらも2003年(平成15年)から減少してきています。

エイズと梅毒は増加していますが、そもそも患者数が少ない。

淋菌クラミジアは毎日のように感染する患者さんがいらっしゃる身近な性感染症。

その淋菌クラミジアが減少しているってことは、ある一定の性教育の効果ではないでしょうか?

他の理由としては性風俗店数の減少があげられてもいますが・・・

 

 

とここで、僕が何を言いたいのか?

性の環境は以前より改善されているってことです。

 

現在のネット社会において性の世界は15年前よりはオープンになってきていると感じています。

それは単に性のことを発言する人が増えてきていることです。

女性が多いのですが、性被害を受けた方や風俗嬢の方、一般の方などさまざまな人が発言しています。

男性であればAV関係の方が情報発信されています。

これは「AVはファンタジーである」と言う観点からの情報発信なので、自分の職業を否定しているように感じてので少し違和感を覚えますが・・・。

まぁ性のことを発言する男性はセクハラにつながることがあるので、なかなか言えない現実もあります。

 

とにかく性のことを発言するということは非常にリスクが高いので、今まで多くの人が避けてきたことです。

もちろん世の中からのバッシングやエロい人と思われると言ったこともリスクになります。

そんな中で直接顔が見えないネットと言う特性を生かし、性を語る人が増えています

 

中には「今の性教育を否定し改善すべきだ」と発言も見受けられます。

 

もちろん僕も性教育をより良く変えないといけないとは感じていますが、現状の否定はできません。

なぜならば、しっかりと国が定めた目標である性感染症の減少や人工妊娠中絶件数の減少といったことをクリアしているからです。

現在小中学校や高校で性教育を行っている方は学習指導要領内でできる限りの工夫をして頑張っています。

そして学校内で性の悩み相談を受けている先生たちもいます。

 

確かに僕は性教育を受けたものの残っている記憶はほとんどありません。

なので性教育って意味ないなと思う気持ちもわからなくはない。

だからと言って否定してしまうことはよくありません。

 

性教育は平成でいろいろな事件があり苦難を乗り越えてきて、だいぶ改善されてきています。

そして今後は変わっていくことを期待しています。

 

言いっぱなしはよくないので、僕の理想の性教育を述べます。

 

今の性教育は年に1回あるぐらい。


みなさん年に1回聞いた講演の内容を理解し覚えることができますか?

そんなことですべてを理解し記憶するのは困難ですよね。

そこで性交の話などしてしまうと興味がセックスのことだけに集中し、避妊や性感染症の話は覚えられなくなります。

 

だからまずは性教育の時間数を増やすべきです。

時間数を増やすとなると内容は必然的に充実してきます。

教員の負担も多くはなると思いますが、国の政策として内容を変えるより時間数を増やすことが一番効果的だと思います。

余談ですが、そもそも保健体育なんてものは保健とスポーツに分けるべきですよね。

 

そして性の相談ができるような環境を学校内に作ること

教育は受けても悩みと言うものは減らない。

現在は性の悩みをネットで調べて自分勝手に解決してしまいがち。

それは間違った情報を鵜呑みにして解決になりません。


性の相談を受ける先生はネットを通じて性のプロと繋がっておく。

そうすると先生自身が判断に困ったときの相談場所ができる。

地方であってもネット環境だけ整えば信頼できる性のプロに相談ができる。

 

この2点を変えるだけですごく良い効果が生まれると思いませんか?

国の政策として性教育をより良く変える方向に向かってほしいですね。

 

性教育はさまざまな研究団体があることも足並みがそろわない理由にもなっています。

歴史的な流れもあり統合することは難しいかもしれませんが、ぜひともみんなで協力して性教育を変えていきたいですね。

平成と言う時代で良くなってきた性教育にもっと革命を起こすために!


最後に・・・

僕一人では性教育は変えられません。

大人の性教育はやっていますが、一番大事なのは未熟な若者への性教育です。

性教育改革を国策として行っていただくためにも生涯通して性の情報提供を行い、地道に頑張っていこうと思います。

EDは心筋梗塞や脳梗塞の予兆となる?

日本人の死因は「がん、心筋梗塞、肺炎、脳血管疾患(脳梗塞や脳出血)」が大きな原因となります。

そのうち心筋梗塞や脳血管疾患はED(勃起障害)と関係しているのは知っていますか?

 

EDと心筋梗塞と脳血管疾患はすべて血管が関係しています。

心臓の血管が詰まれば心筋梗塞。

脳の血管が詰まれば脳梗塞。

陰茎の血管が詰まればED

 

この中で陰茎の血管は12㎜であり、脳(57㎜)や心臓(34㎜)の血管よりも細いのです。

全身の血管が錆びついた場合一番初めに症状が出てくるのがEDなんです。

ED


このことを証明するように、心筋梗塞や脳梗塞を起こす人のほとんどはだいぶ前からEDであったというデータもあります。


糖尿病や高血圧・高脂血症と言った生活習慣病の治療中の方でEDであるという人は、今後脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす可能性が高まります。

 

生活習慣病は放置すると全身の血管が硬くなる動脈硬化と言う病気を引き起こします。

動脈硬化により硬くなった血管はしなやかさがなくなり、勃起に必要な血液を送れなくなります。

動脈硬化がEDそして心筋梗塞や脳梗塞へとつながるのです。

 

それぐらいEDを診断することは大事なことなんです。

勃起は単なる欲望ではありません。

 

勃起力を保つということは血管の錆びつきを抑え元気で長生きできる。

パートナーとの性交渉ということも重要ですが、そもそも男としての勃起力を保つことは全身の健康管理につながります。

 

4大死因の2つと関連があるED!

勃起力を保ち血管の錆びつきを予防しましょう!

平成の勃起を振り返る

1999年(平成11年)323日に日本でバイアグラが発売されました。
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その開発はちょうど平成3年ぐらいから始まったとされています。

もともとは狭心症の治療薬として開発されたバイアグラ。

1990年代前半から臨床試験を行ったところ狭心症の治療薬としては効果が出ず試験は中止となりました。

試験中止を受けて被験者に対して薬剤の返却を求めたところ、拒否するということが起こりました。

拒否した理由は陰茎の勃起力が向上したことでした。


それを聞いた大手製薬メーカーのファイザーはED治療薬としての開発を進めました。

そして1998年(平成10年)にバイアグラがアメリカで販売開始となり、あっという間に「話題の薬」になりました。

勃起は薬で取り戻すことができる!

絶対に治らないという意味の勃起不全(インポテンツ)という言葉を勃起障害(ED)と変えてしまったのもバイアグラの影響です。

 

アメリカで販売されてすぐに輸入代行により日本にもバイアグラが入手できるようになりました。

そうなると副作用による死亡症例も出てきました。

狭心症の治療薬で血管を拡張する作用があるニトログリセリンを内服している方がバイアグラを内服して心不全を起こしたのです。

慌てて救急医学会や循環器学会がバイアグラとニトログリセリンを同時に内服しないように声明を出したほどです。

それぐらい急速に日本に入ってきたんですね。

 

そして厚生省も動きました。

なんと日本での臨床試験を実施せずに日本での製造販売許可を出したのです。

結局アメリカの販売から半年後には日本でも販売されました。

すごいスピード感ですよね。

 

対して女性の経口避妊薬であるピルは海外から10年以上たってからの承認が下りています。

各省庁の役人もバイアグラが欲しかったのかもしれませんね。

 

こんな経緯でバイアグラが販売された後は、レビトラとシアリスが販売されています。

その後は世界的にもED治療は画期的な薬が無いままです。

 

平成においての勃起は「オトコが自信を取り戻した時代になった」ということが言えます。

病名まで変えてしまうほどの時代ですから、すごい進歩ですよね。

 

現在ではED治療薬であるPDE5阻害薬は肺高血圧症や前立腺肥大症の治療薬としても使えるようになってきています。

血管機能を改善させる薬として今後も開発が進んでいくと思われます。

 

30年前は全く治療できなかったED

バイアグラが効果ないと言って文句を言うのは贅沢ですね。

初体験年齢が低下している。

これは相模ゴム工業の「ニッポンのセックス2018のデータを引用しています。

 

現在の初体験年齢19歳!


スライド1

これは40年で3歳も若くなってきています。

性欲が無い草食系男子の増加や未体験の男女の増加が指摘されていますが、意外と初体験年齢は若くなってきているんです。

 

でもびっくりするほどは若くはなっていないですよね。

これは高校と言う学校生活や実家暮らしなどの生活環境が大いに関係していると思います。

なので日本人の初体験年齢が19歳ということはこれ以上若くはならないでしょう。

 

こんなデータもあります。

初体験の相手は?

スライド2

男性は年下の交際相手が減少、女性は年上の交際相手が減少。

 

男女のカップルで男性が年上、女性が年下という以前までの概念が崩れていることがわかります。

姉さん女房のようなカップルも増えてきているということでしょうね。

 

そして初体験での出会いはどこ?
スライド3
スライド4


まず特筆すべきことはSNSでの出会いが増加

女性は11%もSNSで出会っています。

もちろんネットでの出会いが増えたのはここ10年ですので当たり前なのかもしれません。

でも僕には想像できないことです。

お見合いが減っている代わりにSNSでの出会いが増えています。

見ず知らずの人とSNSで出会い初体験を迎える。

そういう時代なんですね。勉強になります。

 

そして同じ会社が減って同じ学校が増えています。

これは女性の進学率が固まったことが影響しているのでしょうね。

女性の社会への進出が日本は遅れていると言えますが、性事情においては影響を受けていると思われます。

 

男性においては風俗での初体験も減っています

風俗店の減少が影響しているのでしょうか?

友人に連れていかれるケースも少なくなったのでしょうね。

いかがでしたか?

初体験から社会の変化をひも解いてみました。

さまざまな意見があると思いますのでじっくりデータを眺めてみてください。

淋菌やクラミジアは喉でも繁殖する!

淋菌とクラミジアと言えば男性であれば尿道炎、女性であれば膣炎が有名ですよね。

男性が尿道炎になると膿が出たりやおしっこするときに痛みがあったりするのが主な症状です。

女性はおりものが増えますが、無症状のこともあります。

 

そんな淋菌やクラミジアは喉にもいることがあります。

前戯としてオーラルセックスが行われているのは約半数。

前戯

 

フェラチオにより淋菌やクラミジアは尿道から喉に感染します。

もちろんクンニでも男性の喉に感染することもあります。

 

よくあるのはピンサロでクラミジアや淋菌に感染する男性。

ピンサロとは性器に対するオーラルサービスを行うお店です。

ピンサロは口だけのサービスだから感染するリスクが無いと勘違いしている男性もいます。

 

実は不特定多数との性交渉をしている人は喉に感染している可能性があります。

だからフェラチオだけでも淋菌やクラミジアは感染するのです。

風俗店で働く女性は喉の検査もしているはずです。

でもどうしても相手が多数となり検査していても感染を防ぐことはできません。

 

もちろん風俗関連だけではなく一般の男性も女性も喉に感染している場合もあります。

 

喉の感染の場合は風邪のような症状です。

喉の違和感や咳。

風邪と診断されて治療を受けてもなかなか改善しない人でオーラルセックスの経験があれば、喉の性感染症検査をしてみることをお勧めします。


淋菌やクラミジアの治療をしなければ風邪症状は改善しません。

 

でも残念ながら症状があっても保険診療では尿と喉の検査を同日に行うことができません。

これは保険診療上の仕組みの問題なので仕方ありません。

別日に検査をしましょう。

 

予防のためには・・・

オーラルセックス時にコンドームを装着すること。

女性へのオーラルセックスは避けること。

もちろん特定の相手で信頼していれば問題ありません。

結局セックスは信頼できるパートナーとしましょうねってことですね。

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