僕は多くの男性が精液検査を受けてほしいと言っています。
では一般の精液検査では何が分かるのかを解説しましょう。
まず精液量。
これは見た目でもわかりますけど1.5ml以上が正常です。
次に精子濃度。
精子がどれぐらいいるのかってことですね。
1ml中に1500万個以上あれば正常です。
数が少ないのであれば乏精子症や無精子症という診断になります。
次は運動率。
運動している精子が何パーセントいるのか?
40%以上動いていれば正常です。
とりあえず動いていればカウントされます。
運動率が落ちていれば精子無力症と診断されます。
最後に正常形態精子率。
正常な形をした精子が4%以上いれば正常です。
ここまで述べた正常値と言うのは世界保健機構(WHO)が2010年に決めた基準値です。
これは14か国4500人の男性を対象に精液検査をした結果をもとにしています。
検査後1年以内に妊娠したカップルと妊娠しなかったカップルを比較して、妊娠したカップルの下位5%の精液所見で基準を決めたんです。
この基準値には様々な疑問があり議論されています。
まずこの検討には日本人は含まれていないこと。
海外と日本では食べ物などの生活習慣が違うので基準が同じでいいのかと言うことです。
次に精液は安定したデータにはならないこと。
精液は日によって結果が変わってきます。
同じ人が120週間連続で検査したデータがあります。
このようにデータがばらけるんです。
僕も10回以上検査していますが、基準値を下回ることもあるし上回ることもあります。
僕のクリニックでは精液の自動測定器を使っているので間違いないと思いますが、これが精液検査の限界です。
また、精子のDNA損傷率が妊娠に悪影響を与えると言われていますが、現時点で検査することはできません。(自費検査として検査できる施設もあります)
ただ一つ言えることは男性も射精時のコンディションを整えることが一番大事なことですよ。
精子の運動率を高めるためには規則正しい生活、そして適切なサプリメント摂取です!
精子力を上げる方法については次回書きますね。