現在流行している梅毒。
今回は梅毒の歴史について紹介していきましょう。
梅毒が日本で初めて記録されているのは1512年。
すでに500年以上経過しているという非常に歴史のある感染症です。
この梅毒の治療としてペニシリンが有効であることが1943年に確認され、現在もペニシリンが標準的な治療となっています。
1943年までの400年は梅毒の治療はできなかったんですね。
よって「解体新書」の著者である杉田玄白は「梅毒患者の治療がとても難しく、患者1000人中700~800人が梅毒患者であった」と記しています。
その頃の梅毒は末期まで進行して全身にしこりができたり鼻が欠けたりして多くの人が命を落としていました。
ちなみに梅毒はコロンブスがアメリカの原住民との性交渉で感染しヨーロッパに持ち帰ったことで世界中に広まったという説があります。
その後大航海時代に突入してバスコ・ダ・ガマらがインド、そして中国へ上陸するとともに梅毒も上陸しました。
その後は中国と日本の貿易(日明貿易)により吉原などの遊郭を中心に日本でも流行したのです。
先ほど述べたように日本で記録されたのは1512年。
皆さんが知っている種子島への鉄砲伝来は1543年ですよね。
梅毒は鉄砲よりも前に日本に入ってきたものだったんです。
セックスのパワーってすごいです。
港に着いたら性欲を発散しまくっていたんでしょうね。
もちろんコンドームなんて無い時代ですから性感染は防ぎようがないですね。
1948年の日本に20万人以上いた梅毒患者はペニシリンと言う治療薬のおかげで患者数は減り続けました。
1990年代の患者数は1000人以下にまで減少し我々医師も梅毒患者さんを診察することは非常に少なくなっていました。
しかし2010年以降梅毒患者は増加し今年は7000人を超えています。
梅毒の主な感染ルートは性交渉ですので、性交渉のきっかけが多様化していることが原因であると思われます。
今後患者数が1万人当たりで落ち着かせるには政治的な介入が必要です。
米国では2016年の淋病クラミジア梅毒の総患者数が過去最多の200万人を超えました。
米国での性感染症の流行は出会い系アプリなどでの不特定多数との性的接触が増えたことであるともされています。
よって日本でも梅毒と同じく淋病クラミジアも今後増加してくる可能性があります。
性風俗店の規制を行うことや保健所の無料検査の拡大や一般市民への啓蒙をしっかりと行い流行を食い止めないといけません。
みなさんも性風俗店を利用した場合は性病検査を受けましょう!