TENGA ドクターのblog

TENGAドクター(福元和彦)が正しい性の情報をわかりやすくお届けします。 また男性特有の悩みに関する話題も解説していく予定です。 もちろんTENGA製品の話も!

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性感染症

あそこがかゆい!それはカンジダ?

「カンジダかもしれない」と言って受診される男性が非常に多いんです。

でもほとんどの方はカンジダではない!

 

カンジダとはカビの一種高温多湿な環境で増殖します。

女性器にはよく膣炎をおこす原因となりますが、男性では亀頭炎を起こすことは稀です。

 

それはなぜか?

男性器は毎日洗浄するから

膣は洗浄することが無いために女性は膣炎の原因になる。

 

つまり不潔にした状態で放置するとカンジダになる。

でもほとんどの男性は風呂に入って洗い流すので大丈夫なんです。

 

カンジダになりやすい人というのもあります。

まずは包茎の人。

でも毎回剥いて洗浄していれば大丈夫です。

 

次に糖尿病や免疫疾患などの免疫力が低下している人。

免疫力が低下することでカビが住み着いちゃうんです。

 

カンジダなどのカビはそこら中に存在します。

なのでカンジダは性行為で感染することは非常に低く、多くの人が自分の管理不足です。

 

カンジダの症状は白苔と言って亀頭に白い膿のようなものが付着します。

これはいわゆる「ちんかす」ではありません


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ペニス周囲と言うのは蒸れやすいところでさまざな雑菌が繁殖しやすくかゆくなるところです。

毎日しっかりペニスを洗ってメンテナンスをすることが重要です。

 

包茎の人は剥いて洗う、そして剥いた状態をタオルで拭いて乾燥させる。

 

要は高温多湿な状態にすることがいけないんです。

しっかりとペニスの風通しを良くしましょうね。

でも、もし傷ができるぐらいであれば医療機関で軟膏を処方してもらってください。

ペニスにできもの?性器ヘルペスとは?

できものの中でも潰瘍と言われるものは梅毒・性器ヘルペスがメインとなります。

梅毒は以前解説しましたので、そちらをご覧下さい。

 梅毒は他人ごとではありません!

性器ヘルペスとは?

単純ヘルペスウィルスが性行為によって感染し、性器や周辺に水疱やただれができてかゆみや痛みを伴うものです。

 

ヘルペスウィルスは感染しても症状が出ない人が70と言われています。

ただし30%の人は激しく症状が出てしまいます。

性交渉の27日後に性器や周辺に水疱ができます。

その水泡が破れるとただれた状態となり激しい痛みが出ます。

 

感染して症状が出ない人も自分の免疫力が低下すると水疱ができます。

初感染で症状が出る人よりは症状は軽いことが多いです。

でも、そういう人は何度も繰り返し発症する。

それが厄介なんです。

 

どちらも経験のある医師であれば見た目で診断できます。

潰瘍からヘルペスウィルスを検出することも可能です。

 

治療は抗ウィルス薬の内服です。

510日程度内服してウィルスの活動を抑えます。

 

注意してほしいのはこの治療がヘルペスウィルスを消失させることではないことです。

 

ヘルペスウィルスは神経に入り込み潜伏しているんです。

ストレスや疲れなどで身体の免疫力が低下すると、活発化して水疱を作る。

 

なので1年に数回も再発するって人もいます。

 

そういう人は再発を抑制するために薬を飲み続けることもできます。

 

ヘルペスの症状があるときにはキスを含む性行為はしないで下さい。

 

ヘルペスはコンドームでも完全には予防できませんので注意してくださいね。


ペニスにできもの?ブツブツ編

陰部にできものができたことありませんか?

 

できものの中でもブツブツは、尖圭コンジローマかフォアダイスです。

 

     尖形コンジローマ

これは性感染症でパピローマウィルスによるものです。

性行為で接触すると感染します。

感染後できものができるまでに18か月(平均3か月)かかります。

なので、どこで感染したのかわからない人も多い。

 

症状としては亀頭や冠状溝(カリ)などのペニス周囲にカリフラワー状のできものができます。

女性は大陰唇や肛門周囲などにできます。

徐々に大きくなってくるので自分でわかると思います。

 

治療はクリームを週3回×2か月間塗るか、レーザーや液体窒素で腫瘍を焼くかです。



     フォアダイス(真珠腫性小丘疹)

これはあっても正常なものです。

カリにできる白いぶつぶつです。

ある人も多いのではないでしょうか?

 

亀頭には汗を出す汗腺が存在しないため余分な脂が出ていきません。

その出ていかない脂がたまってできるのがフォアダイスです。

いつのまにかできて増えていくこともあるので、心配になる人もいます。

 

でも性病ではないので問題ありません。

 

見た目が悪いから手術で除去する医療機関もありますが、当院ではお勧めしません。


フォアダイスとコンジローマの区別が付かなければ医療機関を受診してください。
経験ある医師なら見た目一発で診断してくれますよ。



写真を出しますので参考にしてください。

尖圭コンジローマ

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フォアダイス

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常に流行、淋病クラミジア!

性感染症(性病)の中で一番知られているのは淋病クラミジアではないでしょうか?

 

毎日のように患者さんはいらっしゃいますので常に流行してます。

僕のクリニックは泌尿器科なので多くは男性の尿道炎です。

 

ではどんな症状でどんな治療をするのか解説しましょう!

 

どちらも性行為によって感染する性感染症です。

もちろんオーラルセックス(フェラ)も性行為に含まれますよ。

 

まずは淋菌性尿道炎

性行為後27の潜伏期間を経て尿道口から色のついたが出てきます。

大量に出る人もいれば、パンツにしみる程度の人もいます。

そして排尿するときに痛みを感じます。

これが主な症状。

 

病院を受診すると尿検査をしていただきます。

以前は綿棒を尿道に突っ込んで検査をしていたようですが、現在は尿を調べれば診断ができます。

 

治療法は抗菌薬の点滴が第一選択となっています。

基本的には一度の投与で治療は終わりです。

ただし放置していて重症化した場合は何度も通院していただくことが必要となります。

 

次にクラミジア性尿道炎

性行為後13週間の潜伏期を経て水っぽい透明な膿が少量出てきます。

そして排尿したときの痛みもあります。

これが主な症状。

 

クラミジアの場合も尿検査を行って診断します。

 

治療は抗菌薬の内服が第一選択。

基本的には1回の内服で治療が終わります。

 

淋菌とクラミジア以外の尿道炎も増えていますが、症状が似ているために検査を行うことが重要です。

最近は淋菌とクラミジアのダブル感染と言う方も増えていますので、しっかり検査することが大事です。

 

淋菌やクラミジアの患者数は風俗店の減少に伴い減少してきていると言われています。

平成29年の患者数は淋菌が8000人、クラミジアが24000人。

しかし患者数と言うものは大体の数しか分かっていません。

これは定点観測と言ってある指定された1000件の医療機関の患者数だけを報告しているからです。

 

ということで実際にどうなのかはわかりませんが、梅毒よりもかなり多いことは間違いないですね。

 

淋菌やクラミジアに感染すると男性は症状が出ますが、女性はほとんど症状が出ません。

クラミジアは特に女性の方が感染者は多いということが特徴です。

 

淋菌やクラミジアは喉にも感染している場合があります。

オーラルセックスの影響ですね。

 

性感染症になった患者さんに対して

「風俗行きましたか?」

と尋ねると

「行ってません。口だけしかしてないです。」

「口でも性病に感染しますよ」

なんて会話もよくあります。

 

性感染症の知識が無いって怖いですね。

 

感染者と性交渉しても100%感染するわけではありません。

でもリスクのある性交渉をしていることは十分に知らないと感染したことにも気づきません。。



ずっーと流行していますのでみんな気を付けましょうね。

 

新しいパートナーができたらお互いに性感染症チェックをするってことも大事ですよ。

梅毒の歴史

現在流行している梅毒。

今回は梅毒の歴史について紹介していきましょう。

 

梅毒が日本で初めて記録されているのは1512年。

すでに500年以上経過しているという非常に歴史のある感染症です。

 

この梅毒の治療としてペニシリンが有効であることが1943年に確認され、現在もペニシリンが標準的な治療となっています。

1943年までの400年は梅毒の治療はできなかったんですね。

 

よって「解体新書」の著者である杉田玄白は「梅毒患者の治療がとても難しく、患者1000人中700800人が梅毒患者であった」と記しています。

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その頃の梅毒は末期まで進行して全身にしこりができたり鼻が欠けたりして多くの人が命を落としていました。

江戸時代の遺骨に鼻の骨が欠けたものが発見されていることが証拠です。 

ちなみに梅毒はコロンブスがアメリカの原住民との性交渉で感染しヨーロッパに持ち帰ったことで世界中に広まったという説があります。

その後大航海時代に突入してバスコ・ダ・ガマらがインド、そして中国へ上陸するとともに梅毒も上陸しました。

その後は中国と日本の貿易(日明貿易)により吉原などの遊郭を中心に日本でも流行したのです。

先ほど述べたように日本で記録されたのは1512年。

皆さんが知っている種子島への鉄砲伝来は1543年ですよね。

梅毒は鉄砲よりも前に日本に入ってきたものだったんです。

 

セックスのパワーってすごいです
港に着いたら性欲を発散しまくっていたんでしょうね。

もちろんコンドームなんて無い時代ですから性感染は防ぎようがないですね。

 

1948年の日本に20万人以上いた梅毒患者はペニシリンと言う治療薬のおかげで患者数は減り続けました。

1990年代の患者数は1000人以下にまで減少し我々医師も梅毒患者さんを診察することは非常に少なくなっていました。

 

しかし2010年以降梅毒患者は増加し今年は7000人を超えています

 

梅毒の主な感染ルートは性交渉ですので、性交渉のきっかけが多様化していることが原因であると思われます。

 

今後患者数が1万人当たりで落ち着かせるには政治的な介入が必要です。

 

米国では2016年の淋病クラミジア梅毒の総患者数が過去最多の200万人を超えました。

米国での性感染症の流行は出会い系アプリなどでの不特定多数との性的接触が増えたことであるともされています。

よって日本でも梅毒と同じく淋病クラミジアも今後増加してくる可能性があります。

 

性風俗店の規制を行うことや保健所の無料検査の拡大や一般市民への啓蒙をしっかりと行い流行を食い止めないといけません。

 

みなさんも性風俗店を利用した場合は性病検査を受けましょう!

 

 

 

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