泌尿器科

「日本人の6割は仮性包茎なんだから安易に治療するべきではない!」


美容外科

「手術すると男として自信が出るし性病も防止できるからすぐに手術しよう!」

 


こんな風に全く意見が違います。


僕自身泌尿器科医ですので前者の意見です。



でもみなさんはどう思いますか?

 

世間では「包茎=悪」のような広告ばかりが目立ち手術した方がいいような気もしてきますよね。


実際に美容形成外科で行われている包茎手術の件数は公表されておらず不明です。


でも泌尿器科は保険診療で行う件数は公表されており年間
2000件程度です。


これは保険診療で行われる包茎は嵌頓包茎と真性包茎のみ。


だから仮性包茎で行われている件数は泌尿器科も不明です。


 

試算によると年間10万件も包茎手術が行われているとも考えられています。


まぁそれぐらいされていないとあれだけ広告宣伝費もかけることはできないでしょうね。


 

仮性包茎の手術を泌尿器科と美容形成で行うことで何か違うのか?


一番は値段です。


泌尿器科の相場は
810万。


美容形成外科は
5200万。


 

手術の腕はどうなのか?


そこは手術をする医師によって変わってきます。


でも我々泌尿器科医にとって包茎手術は非常に簡単です。


もちろん美容手術なので完成後のデザインや縫い方に気は使いますが、皮膚を切って縫い合わせるだけの
手術なので泌尿器科医は誰でも手術したことはあります。


僕は泌尿器科医として初めて術者になったのは包茎手術でした。


それぐらい包茎手術は泌尿器科医としての初心者にでもできるものです。


もちろんペニスの構造についてもよく知っています。



一方美容外科医は・・・。


もちろん手術は誰でもできると思います。


デザインや糸は各クリニック独自の方法があると思いますのでよくわかりません。


でも術後を診察した経験からは泌尿器科医がした包茎手術と変わりありません。


だって特別な方法でなければ簡単な手術ですからね。


 

ではなぜ値段の差があるのでしょうか?


泌尿器科医は包茎手術で儲けようとは思ってません。


他の診療で手一杯の部分もあります。


なので医師各自のこだわりはあるかもしれませんが、一般的な包茎手術を行います。


保険診療が可能なのであれば手術料は
1万円以下となります。


クリニックとしては包茎手術代が
810万円で十分に利益はあります。


 

でも美容形成外科は包茎手術で儲けなければいけません。


なのでできるだけ手術することを勧めます。


もちろん保険は使いませんので高額になります。


そしてオプションをどんどん勧められます。


例えばきれいに縫うための糸(
15万)、傷をきれいにするための手技量(10万)、亀頭増大術(20万)、長径術(40万)、イボ取り(11万)など・・・


広告では
5万で手術できると書いていますが、5万で手術してもらった人を僕は聞いたことはありません。


最低
20万ぐらいは必要なんじゃないでしょうか?


 

国民生活センターのHPには美容外科での包茎手術に関する報告が書いてますので参考にしてみてください。
美容医療サービスによる包茎治療の問題点



美容形成外科は外来を受診したその日に手術と言うことがあるみたいです。


考える間も与えずに手術、高額な場合はローンを組まされることもあるようです。


忙しいクリニックであれば手術の予約がいっぱいですぐに手術できる余裕はないはずですので、すぐに手術を勧められた場合は怪しいなと感じてください。

 


仮性包茎に対する手術は不必要です。


でも、もし手術を考えるのであればまずは近くの泌尿器科に相談しましょう。


 

包茎は安易に手術しないで!と中高生の前で叫びたい。