梅毒に関する記事は以前書きましたが流行状況が分かったのでコメントとして書きます。

前回の記事はこちらから。

 

まずこの資料を見てください。

昨年と今年10月までの鹿児島市の梅毒発生状況です。

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昨年と今年では患者数は約2倍に増加していることが分かります。

特筆すべきこととしては女性の患者数が111名から11名)となっています。

女性患者の詳細は不明ですが、性風俗関連の仕事をしている方(コマーシャルセックスワーカー:CSW)だけではなく一般の女性への感染も増えてきています。

これが非常に厄介なんです。

 

男性はペニスに潰瘍やしこりができた時点で気づくことがありますが、女性は陰部を確認する人が少ないため発症に気づきにくい。女性が気づきやすい全身の発疹が出たときには第2期となり、感染から3カ月経過している状態となっています。

もしそれまでに誰かと性交渉していれば梅毒感染者を増やしている可能性もあります。

 

近年は出会い系アプリを利用し性交渉を行う方も増えています。

そういったワンナイトラブの相手とは連絡が取りにくいので、感染したことを伝えられないことも感染者を増加させる原因になっています。
またその方が家庭内で感染させることも問題です。

 

梅毒は感染から発症まで1か月、検査で陽性となるのも1か月程度必要となります。

その間に感染者を増やす可能性もあります。

 

梅毒の流行は地方である鹿児島でも他人事ではないことがわかりますよね。

全国でも増加の一途をたどっていますので、もっと多くの情報提供や注意喚起がなされるべきです。

海外渡航者から日本に入ってきたことが注目されていますが、すでに性風俗店従事者以外の日本人で流行していることが非常に危険です。

 

この資料も見てください。
梅毒1
梅毒2

以前は同性間での梅毒感染が多かったのですが、男女ともに異性間での感染が急激に増加しています。

梅毒の検査や治療法が確立していても患者数が増加しているということは、今後も増加することが予想されます。

 

この感染流行を食い止めるのはどうすればいいのか?

皆が検査をすること!
不特定多数の人と関係を持たないこと!

 

でも無理でしょうね。これだけスマホ一つで男女が出会えてセックスできる時代

抑制は困難です。

淋病やクラミジアは1度の治療でほとんどの方が治るのに対して、梅毒は長い人で3カ月間も薬を飲まないといけません。
仕事をしている人にとって医療機関に2週間に1回来るのは大変なことですが、仕方ありません。


梅毒に感染したのは自分のせい、感染者を増やさないためにもしっかりと治療するべきです。


 

ここからは梅毒の症状の写真を掲載しますので、参考にしてください。

スライド1

スライド2

第1期は感染してから3週間
感染した部位に図に示すようなただれや硬いしこりができます。
また脚の付け根周囲のリンパ節が腫れることもあります。
この症状は痛みがないことが多く自然に治ってしまいます。

スライド3

スライド4
感染してから治療せずに3カ月経過すると病原体が全身に回り第2期に入ります。
この段階では手のひらや足の裏、全身に赤い発疹(バラ疹)が出てきます。
これも自然に治ってしまいますが、治療しないと何度も再発します。

ここから3年以上経過すると皮膚・筋肉や脳にゴム腫と呼ばれるしこりが出てきます。
こうなると10年ほど経過し脳や心臓にまで病気が進行し命を落とす危険もあります。

現在はペニシリンを用いた治療がありますので末期まで進行することはありませんが、検査をしないと発見できません。

明日の梅毒の歴史の記事も参考にしてください。